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●糖尿病治療にかかるお金は多くの人にとって負担となっている
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●公的制度や治療の見直しで支払う金額を減らせる場合もあるので、主治医や医療機関に相談してみよう
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●自分や家族が糖尿病治療中の人におすすめの記事
糖尿病の治療
糖尿病の治療
受診する頻度やお薬の種類・数にもよりますが、だいたい以下のようなものを支払う必要があります(イメージ)。
- 通院
- 交通費(電車代・バス代、タクシー代、駐車場代)、飲み物代など
- 受診
- 診察費(外来診療料、検査料、処方箋料など)
- お薬
- 飲み薬:薬剤購入費
注射薬:薬剤購入費、注射のための器具や消毒用アルコール綿などの購入費
- 血糖測定
- 血糖自己測定(SMBG)の費用(機器、センサー、針など)、持続グルコース測定(CGM)の費用
(機器、センサーなど)
糖尿病のある人で、毎月の治療費を負担に感じている人は多くいらっしゃいます1)。治療費を負担に思うことは決して恥ずかしいことではないので、困ったことや気になることがあれば、ぜひ主治医や医療機関に相談してみましょう。治療費負担を軽くするためには、以下のような方法があります。
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●後発医薬品の利用
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●公的制度の利用(「高額療養費制度」や「限度額適用認定証」)医療機関に支払う額を、収入に応じた一定の金額までに抑えることができます。制度の利用方法については、医療機関の窓口や自治体の相談窓口、医療機関に専門の相談室がある場合は医療ソーシャルワーカーに相談してみましょう。
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●検査内容や処方されるお薬の見直し治療内容によっては、保険診療となっているものを選ぶことで支払い額を減らせる場合もあります。2022年にCGMの保険適用範囲が1型糖尿病・一部の2型糖尿病からインスリン注射を行うすべての方に拡大され、2024年にインスリン療法以外で治療中の2型糖尿病のある方で要件をみたす方に拡大されたように、保険診療の内容は常に見直しがかけられており、今後、糖尿病の新たな治療や検査を保険診療として行えるようになる可能性があります。
糖尿病の合併症が増えると、それに伴って治療にかかるお金も増えていきます2)。
早期からしっかり血糖管理して合併症の発症を予防することも、治療費負担の軽減につながります。
監修:岡山済生会総合病院 内科・糖尿病センター 副センター長 利根 淳仁 先生
1)糖尿病の医療費に対する負担感. 糖尿病ネットワーク. https://dm-net.co.jp/enq/2021/036024.php 2024年5月閲覧.
2)稲田扇ほか: 糖尿病. 2005;48(9):677-684.
【参考】
糖尿病情報センター: 糖尿病とお金のはなし. 2023年4月作成. https://dmic.ncgm.go.jp/content/080_100_01.pdf
全国健康保険協会: 高額な医療費を支払ったとき. 2024年5月閲覧. https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/