-
●糖尿病治療の目標は血糖値を下げることではなく、その先の合併症を防ぎ、糖尿病のない人と変わらない生活を送れるようにすること
-
●そのために実現すべき指標が定められている
-
●糖尿病の治療を始める人、始めようと思っている人におすすめの記事
糖尿病の治療
糖尿病の治療
糖尿病治療の目標は、高すぎる血糖値を下げて目標値内にすることではありません。
血糖に加えて血圧、脂質、体重などを適切に管理して合併症の発症や進行を予防し、糖尿病のない人と変わらない寿命と日常生活の質の実現を目指すことが、糖尿病治療の目標です。
そのために実現すべき代表的な指標をご紹介します。
-
●血糖糖合併症予防のための目標値は、HbA1c 7.0%未満
-
●血圧糖尿病がある人の目標値は、収縮期血圧 130mmHg未満/拡張期血圧 80mmHg未満
-
●脂質LDLコレステロールが120mg/dL未満、HDLコレステロールが40mg/dL以上、中性脂肪が150mg/dL未満
-
●体重65歳未満では、BMI(※)22
-
※肥満度を表す指標で、体重(kg) ÷[身長(m)2]で求められます。日本ではBMI25以上は肥満とされます。
-
それぞれの目標値は、年齢や合併症の状況などで異なります。
実際の治療では、患者さん一人一人の状態に合わせて、主治医が目標値を適切に設定します。
糖尿病は、一生治療を続けていかなければならない病気です。しかし、適切な治療を続け、生活習慣を改善して血糖値を良好に管理すれば、うまく付き合っていくことができます。仕事や趣味の活動を続けること、出産することも可能です。
糖尿病とうまく付き合っていくために、治療を医師任せにするのではなく、積極的に自分自身を管理することを心がけましょう。
そのためには、栄養と運動に配慮することはもちろん、休息とストレス解消に気を配ることも大切です。
息切れせずに糖尿病治療を継続するために、休息も取り入れながら、自分自身を管理する方法を探してみましょう。
監修:岡山済生会総合病院 内科・糖尿病センター 副センター長 利根 淳仁 先生
【参考】日本糖尿病学会編著: 糖尿病治療ガイド2022-2023. 第1版.東京: 文光堂; 2022.