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●糖尿病のある人は睡眠中も低血糖を起こしていることが多いが、自覚することは難しい
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●血糖トレンドなら、睡眠中に低血糖が起きているかどうかを把握することができる
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●夜間低血糖の可能性を指摘された人、睡眠の質を上げたい人、血糖管理をより改善したい人におすすめの記事
血糖トレンドのある暮らし
血糖トレンドのある暮らし
低血糖は、血糖値が70mg/dL未満まで下がった状態です1)。血糖値の下がる程度によって、以下のような症状が起こるとされています。
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●60mg/dL程度 :自律神経の乱れによる冷や汗やふるえ、動悸、頻脈など
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●50mg/dL程度 :脳の糖不足による頭痛や目のかすみ、空腹感、眠気(生あくび)など
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●50mg/dLよりも下 :意識レベルの低下や異常な行動、けいれんなどが現れて、昏睡に至る
症状が軽い段階でブドウ糖を摂るなどの適切な対処をとれば、重篤な状態にはなりません。しかし症状を自覚できない無自覚性低血糖があると、気づかずに血糖値が下がり続け、重篤な状態になってしまう可能性があります2)。
2型糖尿病のある人を対象に、5日間にわたって持続グルコース測定(CGM)で低血糖が起きているかどうかを調べた研究では、低血糖のあった人の約半数は症状を自覚しておらず、また約3/4の人に夜間低血糖が認められました3)。
夜間低血糖は血糖自己測定(SMBG)では見つけることができないため、自覚のない低血糖の中でも、特に気づきにくいものだといえるでしょう。
しかし血糖変動が常に記録されるCGMなら、後で血糖トレンドを振り返って、夜間低血糖が起きているかどうかを把握して、あらかじめ補食しておくなどの対処をとることができます。
また夜間低血糖は、他の人の助けを必要としない軽度のものであっても、睡眠の質、また次の日の気分や体調に悪影響を及ぼすことがわかっています4)。
血糖トレンドを活用して夜間低血糖を防ぐことは、安全の面だけでなく、糖尿病のある人の生活の質を向上させることにも役立つ、といえるのではないでしょうか。
監修:岡山済生会総合病院 内科・糖尿病センター 副センター長 利根 淳仁 先生
1)日本糖尿病学会編著: 糖尿病治療ガイド2022-2023. 第1版.東京: 文光堂; 2022.
2)岩倉敏夫: 日本医事新報 2021;5079:18-31.
3)Gehlaut RR, et al.: J Diabetes Sci Technol. 2015;9(5):999-1005.
4)Brod M, et al.: Qual Life Res. 2013;22(5):997-1004.