血糖トレンドのある暮らし

食事と血糖トレンド

ここがポイント
  • 食事による血糖値の上がり方をできるだけゆるやかにすることが重要
  • 血糖トレンドを食事療法に取り入れることで、食べ物による血糖の変化を目で見て知ることができる
  • 持続グルコース測定(CGM)による血糖管理を始めた人、良好な血糖管理のヒントを知りたい人におすすめの記事

血糖変動をゆるやかにするために

血糖値は食事のたびに上昇しますが、健康な人の場合は食後に分泌されるインスリンが働いて、一定のレベルに保たれます。しかし糖尿病のある人はインスリンが十分にない、あるいは十分に働かないため、血糖値は上がったままの状態になってしまいます。ですから、食後の血糖値の上がり方をできるだけゆるやかにすることが必要です。
食事の中で気をつけるべきポイントは、GI値(食品の血糖値の上がりやすさを示す数値)、食べる順番、食べる時間です。それぞれ、血糖トレンドを見ながら実践してみましょう。血糖変動が変わることを自分の目で確認することで、より変化が実感できます。
食事の改善は継続しなければ意味がないので、自分のライフスタイルに合った方法を探してみましょう。

  • ポイント①:GI値GI値は、食品の血糖値の上がりやすさを示す数値です。同じ炭水化物でも、穀物の種類や加工の仕方によって数値は異なり、例えば同じお米でも白米と玄米では、食物繊維が豊富な玄米の方がGI値は低くなっています。GI値の低い食品を選ぶことで、食後の急激な血糖上昇を防ぐことができます。
  • ポイント②:食べる順番野菜を最初、炭水化物を最後に食べる「ベジファースト」という食べ方や、タンパク質を含む乳製品などを最初に食べる「プロテインファースト」で、食後の血糖上昇が抑えられることがわかっています1, 2, 3)
    血糖トレンドでも、炭水化物から食べ始めた場合に比べて、野菜から食べた場合は食後の血糖上昇が抑えられることが示されています3)
  • ポイント③:食べる時間遅い時間に夕食を摂ることは、食後の血糖値を上昇させます4)。夕食はなるべく早めの時間に済ませることが望ましいですが、お仕事などでそれが難しい場合も多いでしょう。
    どうしても夕食を摂るのが遅くなってしまう場合は、分割して食べることが推奨されます。早い時間に野菜と炭水化物、遅い時間には肉や魚を含む主菜、というふうに分割することで、血糖上昇幅を抑えられることがわかっています5)

監修:岡山済生会総合病院 内科・糖尿病センター 副センター長 利根 淳仁 先生
1)矢部大介ほか: 糖尿病. 2016;59(1):30-32.
2)Shukla AP, et al.: BMJ Open Diabetes Res Care. 2017;5(1):e000440.
3)Imai S, et al.: J Clin Biochem Nutr. 2014;5(1):7-11.
4)Imai S, et al.: Asia Pac J Clin Nutr. 2020;29(1):68-76.
5)Imai S, et al.: Diabetes Res Clin Pract. 2017:129:206-212.

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