糖尿病の基本

1型糖尿病と2型糖尿病

ここがポイント
  • 糖尿病には、1型と2型がある
  • それぞれの原因や治療法は大きく異なる
  • 糖尿病と診断された方、家族に糖尿病がある人におすすめの記事

「インスリンが十分にない、あるいは十分に働かない」って、どういうこと?

1型糖尿病は、インスリンを合成・分泌する膵臓のβ細胞という細胞が何らかの原因で破壊され、体に必要なインスリンが作り出せなくなって、血糖値が下がらなくなった状態です。血糖値を適正な範囲に保つため、インスリンを外から定期的に注射して補充することが必要です。
1型糖尿病は、自己免疫によるものと、原因不明なものに分類されます。また発症の仕方からは、3か月程度でインスリン注射が必要となるもの、少しずつ進行していくもの、1週間などの短期間で急激に発症するものに分けられます。

2型糖尿病:生活習慣によりインスリンが十分にない、あるいは十分に働かなくなる

2型糖尿病は、遺伝的な要因でインスリンが十分に分泌されなくなることと、生活習慣の悪化や肥満のためにインスリンが効きにくくなることが重なり、体内のインスリンが十分に働かないために、血糖値が下がらなくなった状態です。2型糖尿病は、最も一般的な糖尿病のタイプで、大人になってから発症することが多いです。

1型糖尿病、2型糖尿病の発症イメージ
1型糖尿病、2型糖尿病の主な違い
1型糖尿病 2型糖尿病
発症する年齢 小児や思春期の子どもに多い 主に40歳以上の中高年に多い
症状 風邪のような症状のあとに、喉の渇き、尿が多い、急激にやせるなど 初期はほとんどない
治療 インスリン注射、食事療法、血糖などが安定していれば運動療法 食事・運動療法、飲み薬、注射薬

その他の糖尿病

その他の糖尿病に、妊娠中に診断される妊娠糖尿病があります。
妊娠中はもともとインスリンの効きが通常時よりも悪くなっており、少しの高血糖でも赤ちゃんが過剰に発育してしまう、出産後に糖尿病を発症するリスクが高くなる、などの影響が出る可能性があります。治療として、インスリン注射が行われる場合もあります。
ほかのタイプの糖尿病としては、膵臓など特定の臓器の病気が原因となるもの、薬剤や化学物質によるもの、感染症によるものなどがあります。

監修:岡山済生会総合病院 内科・糖尿病センター 副センター長 利根 淳仁 先生
【参考】日本内分泌学会: 1型糖尿病. 2024年4月閲覧. https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=90
日本内分泌学会: 2型糖尿病. 2024年4月閲覧. https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=93
日本糖尿病学会編著: 糖尿病治療ガイド2022-2023. 第1版.東京: 文光堂; 2022.

病院検索はコチラ