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●血糖は生き物が生きるためのエネルギー源
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●血糖を下げるインスリンが十分にない、あるいは働きが悪くなると、血糖値が上がりすぎて糖尿病の原因に
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糖尿病の基本
糖尿病の基本
血糖とは、血液中に含まれる糖(グルコースともいいます)のことです。
糖は、生き物が生きていくために欠かせない、大事な栄養素の一つ。特に脳にとっては、唯一のエネルギー源です。
私たちが糖をエネルギーとして使うためには、血糖を細胞の中に取り込まなければなりません。そこで必要となるのが、インスリンです。
インスリンは膵臓で合成・分泌されますが、一日を通して血糖を一定に保つ基礎分泌と、食事によって増えた血糖を適切に処理して減らすために分泌される追加分泌の2パターンがあります。
血糖が増えると、それに伴って分泌されたインスリンは細胞に作用して細胞の入口を開きます。細胞はそこから血糖を取り込み、エネルギーに変換して活用します。細胞が使いきれなかった分の糖もインスリンによって処理され、肝臓に貯蔵されたり、脂肪として体に貯えられます。このようなインスリンの働きにより、血糖は常に一定の範囲内に収まっています。
しかし何らかの理由でインスリンの働きが悪くなると、処理しきれなかった糖が血液中に増えて、いわゆる血糖値の上がりすぎ、高血糖の状態になってしまいます。
血糖もインスリンも、生き物が生きていく上で欠かせない働きを持つものです。しかし運動不足や食べすぎなどでそのバランスが崩れてしまうと、糖尿病の原因となる高血糖を引き起こしてしまいます。
そうならないために、日々の血糖を「管理」しましょう。特に食後の血糖の急上昇を抑えることで、インスリンの働きが悪くても、血糖を一定に保つことができます。
近年では、血糖を管理したり、生活習慣を改善したりするための様々なツールが登場しています。ご自分のライフスタイルやお好みにあったツールを探して、血糖をあなたらしく管理する生活を始めてみましょう。
監修:岡山済生会総合病院 内科・糖尿病センター 副センター長 利根 淳仁 先生
【参考】長谷川剛二: 糖尿病ケアプラス. 2022;19(3):350-3.
千丸貴史: 糖尿病ケアプラス. 2022;19(3):354-7.