ここがポイント
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●糖尿病は血糖値が上がりすぎた状態が続く病気
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●自覚症状はほとんどない
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●血糖値の上がりすぎが続くことで、さまざまな合併症が起きる
糖尿病の基本
糖尿病は、インスリン(※)が十分にない、あるいは十分に働かないことで起こる、慢性的な高血糖状態が特徴の病気です。「高血糖状態」とは、血液中のブドウ糖(血糖)が増えすぎてしまった状態のことです。
高血糖は初期の段階では自覚症状がほとんどないため、最初のうちは自分が糖尿病であることに気づかない場合がほとんどです。しかし長い期間高血糖が続くと全身の細い血管や太い血管にダメージが及び、網膜症、腎症、神経障害といった細小血管症、心臓や脳の血管の病気である大血管症などの合併症が起こり、寿命や生活の質の両方に悪影響を及ぼします。また極端に高い血糖は、それだけで昏睡状態を引き起こすなど、重大な合併症(急性合併症)の原因となります。
糖尿病治療では、「血糖値を適切な範囲内に保つこと」によって将来の合併症を予防したり、発症を遅らせたりすることができます。患者さん一人一人の状態に合わせて、食事療法や運動療法、飲み薬、インスリンなどの注射のお薬などを組み合わせて使用し、適正な血糖値を維持することを目指します。
監修:岡山済生会総合病院 内科・糖尿病センター 副センター長 利根 淳仁 先生
【参考】日本糖尿病学会編著: 糖尿病治療ガイド2022-2023. 第1版.東京: 文光堂; 2022.